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ホワイト企業大賞の軌跡

第9回表彰企業(2022年度)

組織プロフィールおよびホワイト企業指数アンケートの実施結果提出による応募、企画委員会による検討・訪問・大賞決定会議を経て、大賞1社、特別賞15社、推進賞6社を決定しました。

大賞(敬称略、各賞内での記載は応募順)

  • iYell株式会社

    社長自身の子どもの頃の環境もあってか、等身大で自然に経営されている様子が伺えた。前職では、現在とは正反対な数字重視の環境の中でも実績を出した経験があり、現代社会の負のメカニズムを理解しつつも強い意志を持って豊かな組織環境の実現に邁進していると感じられた。特に文化を最重視していることが印象深い。その文化育成のため、経営陣7人が一番頭が冴えている朝の早い時間に主体的に集まり、創業以来、毎朝、語り合っているという姿勢には驚かされた。また、『コンパス』という冊子をつくることなどを通じて、1000年以上続く会社をつくろうとする気概も感じることができた。働くスタッフも全員イキイキしており、自分の考えを等身大で伝えてもらうことができた。前回に引き続き、「大賞」にふさわしいと意見が一致した。

【特別賞】人生の在り方追求賞

  • 株式会社ザカモア

    赤字経営に陥った時、トップダウン経営に違和感を覚えた社長が自律型経営を目指し、役職の廃止、評価制度の廃止、対話重視、などの施策に取り組まれました。その結果、社員は主体的に自分たちで考え、動き始め、何でも言い合えるフラットな組織風土が生まれました。またザカモアの考える働き方とは、一人ひとりが自分の人生の主人公であり続けること。自分の在り方とザカモアの在り方が一致していることとし、自分らしい働き方を追求しています。このような組織では心理的安全性が図られ、経営理念である『感動をつくる』というミッションが社員とその家族、お客様、メーカーに自然と向かい、『何のため?』の仕事かが明らかになっています。働く意味を知ることが本質的な働き甲斐を生むことを十分に理解できています。このように社員が安心してパフォーマンスを上げるための土壌づくりが出来ていますし、それに対してかける時間とエネルギーはすさまじいものがあります。ホワイト企業指数が高いのも納得できますし、本当に自由闊達な雰囲気の中、皆さん仕事をされています。

【特別賞】働きがい追求賞

  • ミタニ建設工業株式会社

    ミタニ工業建設は、長らく旧態依然だった社風を、「仕事もプライベートもやりたいことができる社風」へと変革するため、日々、努力を重ねてこられました。現社長がまず、自分から社員に積極的に声をかけるなど、寄り添っていく姿勢を示し、その上でビジョン合宿、社長主催の誕生会、オンライン飲み会、サークル活動、資格取得勉強会など、多様な取り組みを行っています。 5名の社員ヒアリングでは、満足レベル(休日や残業について)の話も多く出ましたが、感動レベル(幸せや働きがい)の話も数多くあり、社長が目指す姿と重なっています。働きがいの追求が、土木・建設・舗装・新規事業という仕事の技術的・質的向上にもつながっていることを感じました。これからの躍進に期待しています。

【特別賞】黒から白への躍進賞

  • 株式会社パルサー

    現地ヒアリングでは、経営者と社員それぞれが、黒歴史から白歴史へと転換する様を、よそおうことなく等身大で語ってくれました。笑いの絶えないひとときでした。「売上より幸せを考えるといい会社になれることを示したい」(経営者)、「会社に嫌いな人がいない」(社員)、「人ってこんなに変われるんだ、と後輩を見て嬉しく思う」(社員)など、いい会社へと着々と進まれていることが感じられます。2024年度に新紙幣が発行されることから、全国的に自販機の買い替えが進むと言われているそうですが、素晴らしい仲間と、質を高めながら忙しい時期を乗り越えられるのではないかと思います。これからの成長に大いに期待しております。

【特別賞】幸せと感謝の循環経営賞

  • エン婚活エージェント株式会社

    貴社は、結婚がゴールという業界の常識の中で、結婚はスタートであり幸せな結婚が続くことをゴールとするという常識破りのサービスを磨き続けておられます。 「いい人に出会えれば満足」という従来の意識が「大切なのは幸せな結婚を続けること」というところまで変化することを目指し、電話での会話を丁寧に続けていく。聞くからに相当に難易度が高そうで、さぞかし苦労されているのではと思いきや、社長はじめ社員の方々皆さんが、明るく前向きで生き生きされているのに驚きました。誰もが事業の目的を自分の言葉で語られていて、自分のしている仕事が人の幸せにつながっているということを実感され、そこに喜びを見出しているのがとても印象的でした。 また、社内に安心で安全で信頼感のある空気が充満しているのも感じました。 コロナの影響もあって出社とリモートの比率が半々ぐらいという環境下で、和気藹々とした雰囲気が維持できている理由は、間宮社長が3年半毎日こまめに発信しているブログ、理念座談会での方針についての対話、ウエルビーイング研修の開催といった地道なコミュニケーションの場作りに加えて、感謝の気持ちを伝え合う習慣が日常の中に定着していることであるようです。 人の幸せを追求するという間宮社長の人生の目的と、社員の皆さんの働く目的がしっかりと重なり合い、サービスを磨き続ける真摯な姿勢を強く感じました。

【特別賞】穏やかに仕事を継続する喜び経営賞

  • 株式会社フレキシブル

    「穏やか」をキーワードに経営。ここでいう穏やかとは、仕事が好きな人が仕事に集中できることです。働く人には会議とメールを少なくし、ビジネス環境としてはニッチでユニークなビジネスモデルにより過渡な競争を避けることで、穏やかさを実現しています。創業11年目で質的な測定をしたいと思い応募に至った姿、併せて今後定期的に「受診」するつもりとのこと、まさにホワイト企業の道を歩み続け、研鑽続ける姿だと感じました。社長の原体験を起点に、無理な量的拡大には関心を示さず、淡々と事業の継続を志向しておられる姿にも感動しました。今後さらに「素晴らしい同僚と仕事をする喜び」、「素晴らしいクライアントと働く喜び」を鍵に、よりよい「穏やか」な経営を探究、追求され、その道を歩まれることと思います。

【特別賞】進化へのあくなき挑戦賞

  • 株式会社コバックス

    社会が年々成熟していく中、産業構造も大きく変化していく過程で、中規模製造業者の多くが海外の安価な製造事業者との競争に晒されました。貴社も多分に漏れず、厳しい時を経たと想像いたします。 OEM生産と卸売を主力としていた事業では、利益の確保だけでなく、健全な労働環境の維持すらも難しかったことと思います。 そして民事再生を経て、最も大変な時期に現社長が経営の舵取りへ。 そこからたったの十数年で、直販の製造小売業へと転換し、自社商品のブランドを確立され、すべての債務も返済をされています。 その改革の苦労や葛藤は、想像し難いほどです。 現在は、社員の皆さんがイキイキと働ける環境や仕組みの整備に献身的に取り組まれており、もはや丸ごと違う会社になったと言えるでしょう。経営の自律分散化にも取り組み始めており、進化へ挑戦し続ける姿勢は経営者の鑑であると感じます。 家業の継承者として、模範的とも言えるその経営力と指導力は、現在の日本にとって最も重要な能力と言えるのではないでしょうか。業界や地域だけでなく、日本の中小企業全体により良い影響を与えていってほしいと心から願っております。

【特別賞】未来を創る自律共創経営賞

  • 株式会社THE COACH

    代表が交代されるという葛藤を乗り越えたばかりのタイミングだったということですが、強いミッションでつながり合いブレない組織の力が伝わってきました。 代表含め、契約形態なども関係なくお話した皆さんが深い信頼関係やミッションへの共感をイキイキと語ってくださり、さらには自己開示力も高く、話を聞きながら幸せな気持ちを貰えました。 全員がフラットにありのままでいいという組織で、誰もが葛藤を吐き出すことができ、時には意見がぶつかり合うこともある「心理的安全性」が高い組織が実現されています。これはなかなか真似できないことです。 このような組織の中にいることで、一人一人が自分と向き合う時間も増え、自分軸で人生をいきることができるのではないでしょうか。 また、自分達だけではなくアカデミー受講者を含めたコミュニティを形成していること、そして高いアクティブ率を保っていることは、まさに次世代の在り方を見せてもらっていると思いました。 お会いできたことに感謝するとともに、これからどのように進化していくのか、とても楽しみに思っています。是非次回も参加してもらえたら嬉しく思います。

【特別賞】まだない『ここち』をみんなの手で 祈りのものづくり賞

  • 有限会社たかはし

    和服が日常にある、素敵な世界観を体現した新社屋で取材をさせていただきました。とかく美術品のように扱われる和服を、日常で着て欲しいという思いで、心を込めたものづくりをされています。「汗じみで、汚すのが嫌だから着ない」というユーザーのために、和服を汗から守る肌着を、気が遠くなるような試行錯誤を繰り返し、開発されました。その思いたるや、祈りの境地です。また、業界の慣例に負けず、問屋を通さずに直販したのも、顧客を中心に考えた結果です。 社長の思いを受け、社員さんは「まだない『ここち』をつくっています」というパーパスを、自分たちで考え、日々、実践されています。 これからも、和服を通じた「新しい『ここち』」を、社員さん、協力業者さんとともに、お届け下さい。

【特別賞】率先垂範 幸福伝搬経営賞

  • 税理士事務所ランニングパートナーズ

    社員さんと顧客、そして地域の幸福のために「ここまでやるか」と驚くべき実践をされています。 研修費に年間、社員さん1人あたり100万円を使い、人間的成長を支援されています。そして、成長した社員さんが、年間1人あたり20万円の予算を使い、顧客や地域への貢献活動を自発的に考え、実践されています。その結果、社員さんは多くの方から感謝され、その喜びを原動力に、さらに実践を深めるという好循環が生まれていました。 また、まずは自社が幸福経営を実践し、それが経営に与える影響を分析し、研究知見を、自社の決算情報に至るまで、惜しみなく誰にでもオープンに公開されているという驚愕の取り組みをされています。 今後、ますます広がるであろう幸せの連鎖、増幅が楽しみです。

【特別賞】進化と深化を続ける経営賞

  • 株式会社シンカ

    自分たちの現状を観て、ビジョンを掲げ、課題を見つけ試行錯誤を諦めずに続ける姿勢が顕著であり、まさにホワイト企業の道を歩み続ける姿だと感じました。無理な拡大には関心を示さず、持続可能性の中で、社員が幸せであるように、社長自身も幸せであるようにと模索し続けており、ここまで作り上げてきた企業サイズと経営手法がいい形でバランスしているように伺えます。特に社員からのフィードバックを真摯に受けとめ、昇華し、それまでしていた管理を手放し、脱皮した姿は見事というほかありません。また、働いている人たちは自分の役割に誇りを持っており、会社の紆余曲折、歴史を共に歩んできた仲間として、深いところでつながり、お互いの個性を尊重している様子も伝わってきて深く感動しました。

【特別賞】LOVE&POWER賞

  • 株式会社リジョブ

    2014年、事業も大きな変革が問われる状況の中で、オーナー交代という更に大きな変化が訪れました。残された社員の皆さんには、期待よりも不安の方が大きかったのではないでしょうか。 社長に着かれた鈴木一平さんは、過去に携わった企業の経営難を経験されており、健全な経営に対して人一倍の強い想いがあったことと思います。 また、M&A後に残った社員の皆さんには、互いに助け合って、より良い経営を目指そうという想いが強く残ったことと思います。 その強い想い同士が結びつき、今の貴社の特徴である「LOVEの&POWER」、すなわち助け合いの文化と事業の社会性へと繋がっているのでしょう。 文化と社会性への一貫した姿勢は、事業の成長だけでなくグループ企業内にも影響を及ぼしているようです。上場企業のグループ企業としての立場やプレッシャーもありながら、守るべきものを守り続け、社内外に影響を与え続ける姿勢は、感動に値します。 貴社の在り方が、業界と親会社にだけでなく市場という大きなフィールドに対して、これから益々強い影響を与えていくことを心から願っております。

【特別賞】次世代パーパス経営賞

  • RELATIONS 株式会社

    事業譲渡・再編の際に起こった代表の長谷川さんの在り方の変化、パーパスの刷新などによって、組織がこの数年で大きな変化を遂げていることを感じました。 「対話疲れ」という言葉が生まれるくらいに重ねられる対話は、パーパスに対しての共鳴を深め、組織の心理的安全性を高めていると思います。「会社に生命力を」というパーパスが表面的なものではなく、組織全体に息づき組織の一貫性を生んでいることが社員のみなさんとお話をしていても伝わってきました。 一人一人が組織のパーパスに共鳴しながら自律的に行動していること。さらに、ありのままでいることを大切にしていること。これらはRELATIONSさんの言う自律共感型組織の実現を支えていると思います。 さらに、日本では成功事例の少ないホラクラシーの導入も進められており、試行錯誤しながら軌道に乗せているということもうかがっています。 まさに、これからの時代の組織として、皆が真似したい、学びたいと思える組織だと感銘を受けました。来年どのように進化しているのか見てみたいとおもうので是非また参加して欲しいと思っています。 出会えたことに感謝するとともに、今後も素晴らしい組織として社会に影響を与えていただけることを期待しています。

【特別賞】命を守り、つなぎ、広げる経営賞

  • 株式会社基陽

    金物の街、三木の土地で「神事」としての刀鍛冶のルーツを持つ貴社。祖父の刀は、武器というよりも、神社や学校を守るものとして献上されていたといいます。現在「命綱」を製造する貴社には、まさに命を守る、命をつなぐという理念が貫かれておられます。また、歴史ある三木地域において農業、食、防災を通じたリアルな場を提供し、学校では三木の歴史を語る授業も実施しています。貫かれる「理念」と「地縁」、双方の融合を図ることで、貴社固有の豊かな可能性が芽吹き始めているように感じました。会社の雰囲気はあたたかく、働く人同士の関係性は良好で、相互の助け合いが自然な形で生まれています。加えて、2018年より毎年ホワイト企業大賞に参加、企業の定期検診を続けておられます。ホワイト企業委員の訪問とそこでの会話をヒントに自らの経営を振り返り、よりよい経営に進化させていく機会にしている真摯なあり方にも深く感動しました。

【特別賞】身も心も温まる、あったか経営賞

  • 株式会社 仁

    さらなる飛躍があることを予感させる企業だと感じました。一代で築いたこともありこれまではトップダウンの経営でしたが、第二の創業期と位置づけ、今いる仲間たちと一緒に社員一人ひとりの想いを経営に反映させて行けるようにシフトしているその姿は、次の飛躍を予感させるものでした。慢性的な人手不足の介護事業で、明るく、やりがいを感じている社員さんたちがその全てを物語っていました。 昨年スタートした「トレード委員会」「楽しい職場づくり委員会」など7つの委員会活動で、部署を超えユニークで良質なコミュニケーションが生まれ働きがいのある職場を実現されようとしています。 仲間が助けてくれるという安心感で満たされている、会社の雰囲気が素晴らしい未来を期待させてくれます。

【特別賞】幸せ循環経営賞

  • 有限会社目見田商事

    地域のお客様に役立つことが本来の使命であると、あえて商圏を絞り込み、その地域のお客様に車に関する様々なサービスを、スタッフの人たちの親切で心のこもったおもてなしと共に提供することで多くのファンを生み出し、市場縮小・価格競争が続く業界の中にありながら、成長を続けるガソリンスタンドです。 以前は安売りで繁盛する店でしたが、いくら業績が上がっても社員が幸せにならない会社は意味がないと経営者がこれまでの考え方を転換。業績ではなく、社員の働きがい・幸せを大事にする経営を続けた結果、社員がやりがい・誇りをもって働けるようになり、お客様のおもてなしが向上、お客様の満足や感動が高まっていくことで地域の中にファンが増えています。社員の幸せは人間的成長であると、小さな規模であっても人財育成に投資し続けられ、社員全員で勉強を続けておられます。社員の幸せを起点とした、社員の幸せ、顧客の幸せ、地域の幸せ、そして業績が向上する「幸せの好循環経営」は、これからも地域の中で「幸せ」を増やしていくと期待しています。

【推進賞】(敬称略、応募順)
  • 名和株式会社
  • さきがけ税理士法人
  • 医療法人糖心会
  • 株式会社mihaku
  • 株式会社アイ・ティ・エス
  • 株式会社ナンブ